
鼻先と下顎を結ぶラインをエステティックライン(Eライン)と呼び審美の基準になっています。つまりこのラインより上下の唇がはみ出す様であれば、抜歯をして矯正をするという事になっています。
ところが、下の顎を前方に出す噛み合わせに直してから矯正をすれば、抜歯無くして矯正が可能です。
抜かない矯正
噛み合わせの改善をして、下の顎を前方に出してくる。
上の歯はしっかり起こしてくるが、抜歯矯正ほど後ろに引っ込まない。
抜歯矯正
下の顎の位置をそのままに、上の小臼歯を2本抜いて上の前歯を全体的に引き込む方法。
ただ歯を抜かない事が
非抜歯矯正なのではありません!!
・歯を抜かない+顎の位置(ポジション)を正しい位置に持って行くことが本来の非抜歯矯正です。
▶噛み合わせ・矯正
1. まず大原則として、極力抜歯は行いません。
一般に4・4抜歯といって、犬歯の1つ奥の歯を抜いてスペースを作り、歯を並べますが、
この歯は犬歯と並んで、顎を動かす時(食事時)の顎関節の保護や誘導に、大切な役目をしていますので、
極力抜歯をしないで矯正する方向で治療しています。
これが非抜歯矯正だ!! 詳しくはこちら>>
2. 顎間ゴムの使用を極力避ける
当医院で矯正治療を受けられる、顎関節・噛み合わせが不安定な方には、顎間ゴムの使用を極力避けています。ただし、噛み合わせが安定してきた場合、アクビができる程度の細い柔らかいゴムを使用してもらう事で、治療期間が縮まる事もあります。
一日中・夜間のみなど、使用時間によって短縮期間が変わります。
3. 細い形状記憶ワイヤーを使用
当医院の歯列矯正はメモリードワイヤテクニックと言いまして、形状記憶ワイヤーを使った、歯牙に無理のない矯正テクニックです。
まず形状記憶ワイヤーが0.12~0.16インチという、通常の太いワイヤー(0.22~0.28)からすると信じられない細さです。その為違和感が大変少ないです。
また細いワイヤーですが歯牙の動きがとても早く、つまり矯正期間がかなり短縮できます。矯正期間が短い為、通常1ヵ月ごとのワイヤー交換が一般的な矯正治療ですが、2週間から3週間単位でワイヤー交換が可能です。
もちろん遠路からいらしている方でその頻度でいらっしゃるのが難しい方は、1ヶ月ごとの交換でも問題ありません。
特に私がメモリードワイヤーをかけて思うことは、柔らかい力で無理なく歯牙を動かすため、生理的な、利に適った矯正方法だという事です。
4. セラミック製のブラケット
セラミック製の透明な小さなブラケット(四角い箱型で歯牙に接着する装置)なので審美的に目立ちにくいです。
~ホワイトワイヤー誕生~
実は、各メーカーから4~5年前よりホワイトワイヤーが出現して来ましたが、どれも満足のいく物ではありませんでした。
ホワイトワイヤーはチタンワイヤー、ステンレスワイヤーにホワイトコートをする為、摩擦が増え以下の様なデメリットがありました。
☛歯の動きが鈍くなる ⇒ 治療期間が延びる
☛歯に抵抗がある ⇒ 動かすのが痛い
この難題をクリアしたワイヤーが、日本のメーカーより誕生しました!
当医院の"歯にやさしい、療期間も1年程早い" といったこの条件はそのままに、ホワイトワイヤーでの治療ができる様になりました。これから治療を始める患者さんに限らず、矯正治療中の方も途中でスイッチできます。また極細のワイヤーは今まで通りで、いつからでもホワイトワイヤーの選択が可能になりました。

クリンパブ、オープンコイル、その他付随の装置もホワイトがあります。全ての方が、低料金のアップでご利用可能です。

見えない・目立たない・気づかれない矯正治療と言えば、主に3つあります。
①完全な舌側(歯の内側)にワイヤー装置をつけるやり方 ⇒舌側矯正
②透明なマウスピースで着脱できる歯型に沿った物で動かして行く ⇒マウスピース矯正
③表側に装着するが、ホワイトの為目立たない ⇒ホワイト矯正
①舌側矯正

➤舌触りが悪い
➤歯石が着きやすい
➤しゃべりづらい
➤表側に比べて、歯のワイヤーのアーチが極端に小さくなる為に、矯正期間が1年~1年半 程度延長する。
②マウスピース矯正
➤ 着脱できるメリットはあるが、意外だと思われるかもしれませんが痛みを伴います。
なぜなら、次のステップへ歯を動かす状態を想定し作製したマウスピース(歯型)を、なかば無理やり装着してもらい動かして行きます。歯が左右、上下に引っ張られる様な感覚や痛みが生じます。
➤着脱が自由にできる為、よほど意志が強くないとはずしてしまい、なかなか矯正治療が進まなくなってしまう欠点があります。

③ホワイト矯正
➤ ワイヤーに白いコーティングをする為、今までは(改良以前)ホワイトワイヤーでは動きが鈍く、治療期間が延長する、また引っかかる為に(マウスピース矯正程ではないが)やや痛みもありました。

Ⅰ>まず、大きく歯を動かす必要のある患者さんは、舌側(内側)にワイヤー(3Dリンガルアーチ)を装着し、大まかな所まで動かして行きます。(期間3ヵ月~6ヵ月)

Ⅱ>その後、表側よりホワイトワイヤーで目立たない矯正を行います。これが歯にやさしく、痛みもほとんどない形状記憶ワイヤーの為とても楽です。(期間1年~1年半)
Ⅲ>最後の仕上げや、噛み癖などで、一部歯の並びが乱れたりなどの場合は、マウスピース矯正で仕上げを行います。
この段階では、マウスピースの装着は夜間だけでも大丈夫になります。また、微少な動かしの為、最初からマウスピースで矯正する場合より痛くありません。(期間1~2ヶ月)
この様に、3つの見えない矯正の"イイとこどり"で最大のメリットが生かせる様に治療を進めていきます。