"色温度を視野に入れたセラミック"
よく耳にする『審美歯科』ですが、私は本来の自分の健康な歯を保つ事が審美だと思っています。健康な歯を無理にセラミックに変える事は審美だとは思いません。もちろん健康な歯をむし歯などで崩した場合は、第一にきちんとした治療を受け、そしてセラミックなどを被せる事が正しいと思います。
ただし、セラミックを入れる際には、深みのある自然の色に近い、つまり健康な自分の歯の色に近づけなくてはなりません。自然界には光の温度というものがあって、沖縄やハワイの真夏の海・冬のスキー場のような1万カンデラ(※1)位ある明るい所と、喫茶店の黄色い電球のような低いカンデラの所ではセラミックの映りは違ってきます。
当医院では、色、温度に影響の少ない、本来の歯と同じエナメル質、象牙質、セメント質等の構造に近い制作法で作製しているセラミックを使用します。
何層にも特長あるセラミックを、1000℃で焼き付ける事で自然な感じが出てきます。
それと対象的なのは、モデルさんがお化粧に使う6500カンデラの光を当てて標準色で一気に仕上げてしまう製作法です。
当医院ではこの製作法はあまり採用していません。
セラミックで注意したい事は、セラミックの裏打ち(裏側)に全くメタル(金属)を使用していない、いわゆるノンメタルを推奨している医院が多いという事です。
長い目で見ると耐久性に問題があると思います。セラミックの場合は、まれに欠けたり部分破折してしまう事がありますので、ベースにメタルがないと大変修理が難しく、全部やり直しというケースも出てきてしまいます。
※1 カンデラとは元々キャンドル(ろうそく)の灯りの何倍、という意味からきています。
・カンデラは光源そのものの明るさを測る単位。
・ルクスは照らされた面の明るさの単位。
●明るさの目安
・700ルクス・・・百貨店売り場
・1000ルクス・・・晴天日入1時間前の太陽光
・2000ルクス・・・曇天日出1時間後の太陽光
・25000ルクス・・・曇天午前10時の太陽光
・35000ルクス・・・晴天午後3時太陽光
ベースメタル
ゴールド40%以上の絶対変色のないものを使っています。かつて、どこまで患者さんに安く提供できるかと、ゴールド含有率(50%→35%→20%→12%)を比べたことがありますが、20%では、3年前後で鈍い山吹色(くすんだ金色)になり、ぼそぼそが金属の表面に現れました。ロングスパンのブリッジ(長いつり橋のような)では、強度不足で中間部分が破折したケースが過去に多く経験しています。私の見解では安全なのは、35%以上ではないでしょうか。
(現在40%以上使用の材料のみ、35%の選択は出来ません)
白い歯6タイプの説明
①ハイプレシャスメタルセラミック
プラチナ・ゴールド系の最高のメタルにセラミックを焼き付けたもの。
金属アレルギーや耐腐食性においても最も安全。
(味覚において、金属の味"カナ気"が最も少なく銅などの耐食性の低い金属を一切含んでいません。特に日本人はお米の味にこだわります!"ごはん"の味は最高です!)
②スーパーハードセラミック
ゴールドを70%以上含有させ、パラジウムを10%程度におさえることで、強度・変色・カナ気・アレルギー問題を極力おさえ込んだバランスの取れた金属です。
③プレシャスメタル
ゴールドを55%~60%含有し、変色のはげしい銀、銅を極力おさえ込んだ金属です。
(パラジウムは30%前後含有し、強度を増しています。)
④セミプレシャスメタルセラミック(ハーフプレシャス)
セミプレシャスながら、金(ゴールド)50%以上の含有量を確保しているが、銀が15%以上の為、味覚において"カナ気"がやや気になる。
⑤ハイブリッドセラミックHi Goldベース(ゴールド55%含有)
セラミックとレジン(プラスティック系)の中間、いわゆるハイブリッド(混ぜこぜ)なもの。
シェード(白い歯の色調)がセラミックより単調で経年的にやや変色する。
当医院のものは、バックメタルHi Gold55%(55%以上ゴールド合金)なので、アレルギーや耐腐食性は問題なし。
注:白い部分にタバコのヤニがつきやすい。女性の場合は口紅がつきやすい。
⑥硬質レジン Gold系ベース(ゴールド40%含有)
ベースメタル(土台の金属)は、Gold系なので問題はない。
白い色の歯の部分がレジン(プラスティック系)なので、3~5年くらいで変色し黄ばんでくる。
強度もセラミックほど強くないので、噛む力の強くかかる所はメタルで受けるようにしないと耐えられないことがある。(噛む面は白くできない)
ある程度低価格でおさえたい方に向いている。
審美性が気になる女性には不向きである。
白い歯をお入れになる方へ
●自然の輝きに近づける
平沼歯科では、オペーク、デンチン、エナメル、クリア層と、4層の積層により自然の歯の構造に近づけます。
●納得してから接着する
特に女性にとって、白い歯の色合わせは重要なポイントです。
セラミックを仮付けで1~2週間生活していただいて、納得してから接着しています。
注:キャスタブルセラミックといって、一層で仕上げて、最後に色を合わせるやり方は当医院ではやっていません。
生きた歯のまま被せる方法では仮付けが出来ない場合があります。
●安全な金属を使う
平沼歯科では口の中で安定した、安全な金属を厳選しています。
・プラチナ系(白金)
・ゴールド系(最低でもゴールドが40%以上使用)
注:ゴールドが40%以上含まれている、高品質なものを使用しています。
当医院は患者さんとお約束した材料は必ず使用しております。