歯周病Q&A

歯周病
Q:歯周病ってどんな病気?A:歯周病菌という細菌が、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケットといいます)に感染し炎症をおこす歯ぐきの病気です。
Aどんな病気というより、どこから歯周病なのか?私はもう歯周病に罹患(かかって)しまっているのか?すぐに治るのか?治るまでにどのくらいの日数がかかるのか?などが患者さんの一番の関心事だと思います。それこそ、ケースバイケースで個人々の診断・治療計画が物を言います。


Q:歯周病がすすむとどうなるのか?A:歯ぐきの炎症が進むと、やがてあごの骨も溶かしてしまいます。初期の段階では自覚症状はほとんどなく、気が付いたときには歯がぐらぐらし、抜歯せざるをえない状況になっていることも少なくありません。
Aその通りです。


Q:歯ブラシをしている時に歯ぐきから出血しました。歯周病ですか?A:歯周病の可能性が大きいです。この原因は歯にこびりついた硬い汚れ(プラーク)ですがこれは実は細菌のかたまりなのです。これらは通常の歯磨きで除去することができません。専門医によるクリーニングが必要です。
A歯周病初期だと歯ブラシの指導、スケーリング(歯のクリーニング)で済んでしまう事も多いと思います。ただし、難しいのはこの段階では本人は全く自覚していないという事です。もう一段階進んだ状態で来院される患者さんが圧倒的に多いのが現状です。


Q:歯肉から血が出るので心配です。何が原因ですか?A:汚れ(プラーク)が原因で歯ぐきが炎症をおこしているためです。
Aその通りですが、私はもう少し深い話をさせてもらいます。出血するという事は、すでに歯ぐきが簡単な刺激によって破綻してしまった結果なのです。それだけ体が弱っていると考えた方が自然です。歯ぐきだけ悪いと考える方が狭視野的な考えです。睡眠不足はないか。食事は不規則でないか。ストレスを溜めていないか。など生活習慣から考えなおさないといけません。もちろん忙しい方に言わせれば、そんな暇がないから歯医者に来ているんだ。という人もいらっしゃいますが、本来歯周病は生活習慣病ですから・・・。


Q:歯石はなぜできるのですか?A:磨き残された汚れ(プラーク)と唾液が原因となります。
A追加すると、日本人はキレイ好きなので一日に2回、朝・晩は必ず磨いている方がほとんどです。しかし、一定のきまった磨き方しかやらないので、磨き残し部分が毎日同じになってしまいます。これが3日~1週間で歯石となってしまうのです。


Q:どのくらいのペースでとれば、いいのですか?A:歯石は取り残した歯垢(しこう=プラーク)が長期間に渡って硬くなったものです。ですから一度歯石をとって、きちんと歯磨きができていれば、なかなか歯石はできてくるものではありません。しかし、完全に歯磨きをすることが非常に困難なため、わずかに取り残した歯垢が徐々に歯石になっています。できれば少なくとも半年~1年に1回は定期検診をして歯垢の取り残しがないか、また歯石が再びできていないかチェックしてもらうことをお奨めします。
Aその通りです。


Q:若くても歯周病にかかりますか?A:10代から潜在的に病気があり、気がつかないうちに重度の周囲炎に至る方が、しばしばみうけられます。
A特に若い方(30代・40代)で単身赴任や独身の一人住まいの男性などは、食生活が不規則になりがちで"一点食い"といって、今日は"カツ丼",明日は"ラーメン・餃子"と単品食いが多く、バランスの摂れた食事がなかなか難しいようです。そういう方には、サプリメント"栄養補助食品"を併用する方法も指導しています。


Q:歯石取りは痛いのでしょうか?A:人によって個人差がありますが、治療中に多少痛みがともなうこともあります。
Aその通りです。当医院では、塗り麻酔を使用するので、大半の方は緊張もせずに治療をうけられています。


Q:歯周病の治療法は?A:歯周病の進行がそれ程でない場合は、歯周ポケット内の清掃、抗生物質などの薬物治療、レーザー治療、ブラッシング指導などで進行を食い止めます。進行が進んでしまった場合は外科手術が必要となります。
A一般的にはそうなると思います。


<歯周病の状態・当医院の治療方法>
●初期の状態
歯ぐきの炎症が主です。軽くブヨブヨしている状態です。(本人もあまり気にしていません。)
・最初は歯ぐきがむず痒い
・少し骨が下がり始めるとアリが這っているような感じがする(蟻走感)
・むず痒い為、指で押すと気持ちが良い気がする

初期の治療
歯に付いた歯石やプラークを取り除きます。スケーリング・ルート・プレーニングと言います。
塗り麻酔を使用し、超音波スケーラーで取り除きますので、それ程痛みはありません。ご安心下さい。

●中期の状態
それをすぎると歯を支える骨の周囲がゆるんできます。歯の周囲のポケットが深くなります。この頃から口臭や歯肉を押すと膿が出はじめます。
・歯が浮いた感じ
・歯に力が入らない感じ
・強く噛みしめられない

中期の治療
レーザーメンテナンス + 高周波通電
この頃から通常の歯石除去やプラーク除去(スケーリング)だけでは間に合いません。
"ブラッシングで良くなる"とも言いますが、私は決してそうは思いません。
触ってもブヨブヨして痛い所を歯ブラシでゴシゴシ磨ける人はあまりいません。中には頑張りやさんが痛みをこらえてゴシゴシ磨きますが、かえって炎症を起こして腫れてしまいます。
中期に有効なのがCO2レーザーで歯ぐきの引き締め、高周波通電で歯周ポケットの殺菌と活性化です。
"自分の体にここが悪いんだ、早く治せ"と刺激をあたえる事で治りを早くします。
それが活性化です。

●末期の状態
いよいよ骨が溶け始め、歯がユレ始めます。本人も指で触ると動くのが分かり始めます。

末期の治療
1/3程度、歯を支えている骨が下がった状態

<治療>
レーザー・高周波通電・半導体レーザーで歯周ポケットの焼却を行います。

末期の中期
1/2程度、歯を支えている骨が下がった状態
シーメンス社のぺリオテスターも悪い数値を示し、本人もユレを感じます。繊維性の食べ物が噛み切れなくなるのがこの頃です。焼き芋が噛み切れません!ほかほかの焼き芋に噛みつき、本人は噛み切ったつもりでも、繊維だけニューっと出てきてしまいます。つまり、繊維が噛み切れない状態が起きています。

末期の末期
歯を支えている骨がついに1/3程度になってしまった状態
一刻も早く歯周固定療法を行なわないと手遅れになります。歯を支える骨が1/3を過ぎて根の先まで溶けないように早めに治療を受けて下さい。

<治療>
歯と歯を被せてつなげる事で、食事や夜中の噛みしめで歯がユレない環境をつくります。

当医院の歯周病治療は9割方切開オペをしないで歯の延命効果が得られます。大切なのは最後の1/3の骨をこれ以上放置して溶かさない事です。こうなると切開オペをしても予後が悪く、保存不可能になってきます。(抜歯へ・・・)
当医院に通われている患者さんは、意識レベルが高く、"ダメなら抜いて部分入れ歯"という図式は好みません。患者さんの大半が、年齢に関係なく自分の歯でしっかりと噛みたい!と願っているのです。

Q:歯周病って健康保険で治せますか?A:基本的に保険で治療できます。
A基本はそうですが、歯がゆれてしまって、どうしても歯と歯を被せてつなぐ歯周固定療法をやらなければならない治療ですと、セラミック系の白い歯などのかぶせ物は自由診療費用がかかってきます。当クリニックでは無料相談も受けています。レントゲンを撮らないと診断がつかない場合もありますが、診させてもらうだけでも、かなりのレベルまで診断可能だと思います。また、大学病院でやっている再生療法など、歯ぐきをあけて骨を再生していく大変な手術ではかなり高額な費用がかかってくると思います。私に言わせてもらえば、歯牙、つまり噛み合わせはそのままで、歯肉の軟組織の処置を中心に再生医療をやっても、なぜそこまで骨が下がってきてしまったのかという原因を追求しなくてはならないと思います。夜中の噛みしめの強い方,仕事中に無意識に噛みしめている方,のようにさまざまですが、この癖がとれない場合は歯と歯をつなぐ固定療法もやむをえないかと思っています。10年以上経過を診ていると歯牙の残存率は、固定していない方よりはるかに高いと思います。ですから初期の内から受診し予防処置に重きを置く、ただし進行してしまった歯周病は徹底的に我々が医学的に介入して治していく方法がよろしいと考えています。


今、予防・予防と騒ぎすぎて、私が25年以上前より当たり前にやってきた事までが、何か特別な事のように"予防重点主義"と謳っている医院もあります。患者さんのライフスタイルにあった医院を見つけ出し、長いお付き合いをしていくのが一番よろしいかと思っています。
当医院では、久しぶりに腫れて来院された患者さんでも、私の顔を見れば何となく笑顔が出るような、そんな長いよいお付き合いをさせてもらっている方も多くいらっしゃいます。

まずは、お悩みをご相談ください

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